●特殊な乳房切除術

性同一性障害の医学的な治療としては精神科でのカウンセリング、ホルモン補充療法、外性器形成術などがありますが、女性が男性化を希望している場合は、乳房切除が必要になります。
元来、バストが小さい場合や男性ホルモン補充療法で小さく萎縮している場合などは脂肪吸引の要領で乳腺を吸引する方法や、 乳輪周囲のみの切開で乳腺を取り除くことも行ないますが、ある程度バストが大きい場合は、乳腺とともの下半分の皮膚を大きく切除する必要があります。



この方は20代前半の方で、男性ホルモン補充療法を当院で2年ほど継続しており、精神科での診断やカウンセリングなども経て、乳房切除を希望した方です。 男性ホルモン補充療法の影響もあり、体毛が濃くなっているのと、筋トレの成果でだいぶ男らしい体格になっています。 術後3カ月なので乳房下縁の傷がまだ少し目立ちますが、数年単位で目立たなくなっていくと思います。